ADHDと認知症は違う 本当に認知症か他の疾患を疑うこと

認知症リハビリ専門士は、認知症を改善するための知識や技術を養成講座で学びます。

認知症を改善させる治療者として多面的にいろんな勉強を続けることが必要です。

また、認知症を改善できる人になるために、他の疾患の勉強もすることが大事になります。

「認知症を改善できる人になるためには、他の疾患の勉強もすることが大事」と日本認知症リハビリテーション協会の代表岡本さんが、認知症に関わる人に向けてメッセージを動画の中で発信されていました。

岡本さんの動画を参考に、治療者としてさまざまな角度で観察することの重要性について、認知症に関わる方々と共有できればと思います。

認知症の人はADHDなど他の病気を併発さていることがある

診察室で医師と患者が面談している写真


認知症といわれる人の中には、実は認知症のような症状があるけれども、ADHDなどの発達障害であるケースもあるようです。

認知症の高齢者を介護される家族や認知症に関わっている医療・福祉関係の方々と、この情報を共有したいと思います。

動画「実は深い繋がりがある、認知症と発達障害について」はこちら

【この動画の中で話されている内容は】

●認知症と診断されてもガン・心臓病・脳梗塞などを併発されている場合があるが、その他の精神疾患、発達障害、うつ病を併発されている場合が多くある

●併発されている中で一番多いのはうつ病です。
認知症と診断されても、実はうつ病だったという人が結構いる。

認知症の人がADHDを併発または元々ADHDだった二つの研究

Medical Recordと書かれてノートの写真
Medical Recordと書かれてノートの写真


動画では2つの研究結果を紹介しています。

一つ目は高知大学の研究です。

軽度認知症障害(MCI)と診断された12%の人が、発達障害ADHD(注意欠如・多動症)を併発させていたという研究結果。

二つ目はアルゼンチンの研究

レビー小体認知症の人の47%の人が、発達障害ADHD(注意欠如・多動症)を元々持っていたという研究結果。

【動画の要点】

●この2つの研究報告から、認知症と発達障害は物忘れや落ち着きがないなど、症状が似ているためどちらがその人の本来の病気なのか、ということを判断するには発達障害の知識が必要。

●発達障害に限らず、認知症状がでるようなその他の疾患についても知識が必要です。
 認知症を改善させるために広く勉強することが重要である。

●70歳くらいの高齢者の人が物忘れ、落ち着きがない、など認知症と疑い物忘れ科で診てもらっても、医師に発達障害の知識がなかった場合、MMSE検査の点数が悪いあるいは画像診断の結果、脳に委縮が見られるなど、認知症と診断される場合に認知症の薬による治療が行われてしまう。

●70歳の高齢者の人が、もともと発達障害ADHDであった場合、認知症の薬を飲み続けると、本当に認知症になってしまう可能性がある。

●認知症リハビリ専門士として今後、認知症を改善させて行くために、他の病気のことを勉強していく必要がある。


認知症リハビリ専門士として、このような現状・情報を知り、認知症に対してさまざまな角度から見ていく必要があると思います。

認知症リハビリ専門士としてはもちろん、認知症に関わる方々にもこのような視点で、認知症の人を見ることは大切だと思います。

認知症の高齢者を介護される方、同じ志を持つ認知症リハビリ専門士の勉強をされる方、認知症を改善させるために働く福祉・医療関係・セラピストのみなさん、認知症以外の疾患のことも知って認知症改善に取り組んでいきたいですね。

END

最後まで、この記事をご覧いただき、ありがとうございます。

またお会いしましょう。

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